塗装の基礎
水性塗料と油性塗料の違い — 国の仕様書に「油性」の区分は無い、メーカー公式表記の突合で分かること
この記事は、官公庁・法令・メーカー公式情報などの一次情報と出典を確認したうえで、塗装相場ナビ編集部が作成・更新しています。編集方針については運営ポリシーをご覧ください。
この記事のポイント
- 国土交通省「公共建築工事標準仕様書(建築工事編)令和7年版」18章は、塗料を「水性」「油性」という言葉で分類していません。節の名前は樹脂・規格名で付いていて、「水系」「弱溶剤系」の語が出るのは錆止め・エマルション系下塗りなど一部の場面だけです
- 「油性塗料」という分類語は、この仕様書にも日本塗料工業会の規格にも出てきません(18章全文の確認で「油性」は木部の着色剤の名称にのみ登場)。本記事では読者がよく使う「油性」を、出典の語である溶剤系(弱溶剤・強溶剤)と同じ意味で扱うと最初に断ったうえで、以後は出典の語を使います
- 外壁に一番近い耐候性塗料塗り(表18.7.3)では、下塗り・中塗りの規格名に「弱溶剤系」が併記される一方、上塗りはJIS K 5658の等級だけで指定され、水系/溶剤系の語は表に出てきません。日本塗料工業会の屋根用塗料規格の解説では、このJIS K 5658は「2液反応硬化形の溶剤系塗料」だが、塗り替え用の市販品は「弱溶剤系塗料及び水性塗料が主」で「一液形塗料もある」としています
- 日本ペイント・エスケー化研・関西ペイントのシリコン系上塗り(水性/弱溶剤のペア)を突き合わせると、希釈剤(水道水・清水・上水 vs 塗料用シンナーA)は明確に違う一方、23℃の塗り重ね乾燥時間やエスケー化研の期待耐用年数は水性・弱溶剤で同じ公表値でした。消防法・有機則の区分ははっきり分かれます
- 塗装相場ナビの相場マスタ(15行)と助成金DB(56制度)には、水性/溶剤系を軸にした行・条件が一件もありません(2026年9月25日grep確認)。水性だから安い、水性なら助成対象、という区分は当サイトのデータには存在しません
※画像はイメージです(写真素材: Pexels)
この記事の要点
- 国土交通省「公共建築工事標準仕様書(建築工事編)令和7年版」18章は、塗料を**「水性」「油性」という言葉で分類していません**。節の名前は樹脂・規格名で付いていて、「水系」「弱溶剤系」の語が出るのは錆止め・エマルション系下塗りなど一部の場面だけです。
- 「油性塗料」という分類語は、この仕様書にも日本塗料工業会の規格にも出てきません(18章全文の確認で「油性」は木部の着色剤の名称にのみ登場)。本記事では読者がよく使う「油性」を、出典の語である溶剤系(弱溶剤・強溶剤)と同じ意味で扱うと最初に断り、以後は出典の語を使います。
- 外壁に一番近い耐候性塗料塗り(表18.7.3)では、下塗り・中塗りの規格名に**「弱溶剤系」が併記**される一方、上塗りはJIS K 5658の等級だけで指定され、水系/溶剤系の語は表に出てきません。日本塗料工業会の屋根用塗料規格の解説では、このJIS K 5658は「2液反応硬化形の溶剤系塗料」だが、塗り替え用の市販品は「弱溶剤系塗料及び水性塗料が主」で「一液形塗料もある」としています。
- 日本ペイント・エスケー化研・関西ペイントのシリコン系上塗り(水性/弱溶剤のペア)を突き合わせると、希釈剤は明確に違う(水道水・清水・上水 vs 塗料用シンナーA)一方、23℃の塗り重ね乾燥時間やエスケー化研の期待耐用年数は水性・弱溶剤で同じ公表値でした。消防法・有機則の区分ははっきり分かれます。
- 塗装相場ナビの相場マスタ(15行)と助成金DB(56制度)には、水性/溶剤系を軸にした行・条件が一件もありません(2026年9月25日grep確認)。水性だから安い、水性なら助成対象、という区分は当サイトのデータには存在しません。
この記事で扱う「油性」の意味
外壁塗装の見積もりで「水性で」「油性で」と言われて、何を指しているのか分からないまま話が進んでいないでしょうか。この記事で扱うのは建物の外壁塗装(塗り替え)に限った話で、DIY用のペンキや車・家具の塗料には触れません。
まず言葉を整理します。読者がよく使う「油性」は、国土交通省の標準仕様書にも日本塗料工業会の規格にも出てこない言葉です(後述のとおり、18章の本文で「油性」が出るのは木部の着色剤「油性染料着色剤」「油性顔料着色剤」の名称だけで、塗料そのものの分類語としては使われていません)。仕様書や工業会規格が使うのは「水系」「溶剤系」「弱溶剤系」で、メーカーは「水性」「弱溶剤」「ターペン可溶」という言葉を使います。
そこで本記事では、読者の検索語である「油性」を、出典が使う溶剤系(弱溶剤・強溶剤)と同じ意味で扱うと最初に断ったうえで、以後は出典の語をそのまま使います。「水性塗料」の定義は日本塗料工業会規格 JPMS 27-2009(耐候性屋根用塗料の工業会規格)の本文「4 種類及び等級」にある次の一文を使います。
「有機溶剤を揮発成分とする塗料と,水を揮発成分とする塗料(水性塗料)がある。」
つまり違いの出発点は、乾燥時に揮発する成分が有機溶剤か水かという一点です(メーカーの製品ページでは、これが希釈剤の欄の「水道水」「清水」「上水」か「塗料用シンナーA」かの違いとして現れます)。以下、この定義を軸に、国の仕様書・工業会規格・メーカー3社の公式表記を順に見ていきます。
国の標準仕様書は塗料を「水性か油性か」で分けていない
国土交通省 官庁営繕の「公共建築工事標準仕様書(建築工事編)令和7年版」18章 塗装工事は、次のように適用範囲を定めています。
「この章は、建築物の内外部のコンクリート、木部、金属、ボード、モルタル等の素地に塗装を施す工事に適用する。」(18.1.1)
この仕様書は公共建築物向けで、戸建てに多い窯業系サイディングを名指しした表がありません。この限界を踏まえたうえで、18章の節構成と、水系・溶剤系の語が実際にどこで出るかを組み直したのが下の図です。
18章は1節〜12節で構成されていますが、**3節以降の節の名前はすべて塗料の種類(樹脂・規格名)**で付いています。合成樹脂調合ペイント塗り(SOP)、クリヤラッカー塗り(CL)、アクリル樹脂系非水分散形塗料塗り(NAD)、耐候性塗料塗り(DP)、つや有合成樹脂エマルションペイント塗り(EP-G)、合成樹脂エマルションペイント塗り(EP)……というように、どこにも「水性」「油性」という節はありません。
水系・溶剤系の語が明記される場面は限られています。仕様書が「溶剤系/水系」をはっきり書き分けているのは**錆止め塗料(3節)で、表18.3.1の注に「JIS K 5674 に基づき、1種は溶剤系、2種は水系である。」とあり、適用欄でも1種(溶剤系)は「屋外、屋内」、2種(水系)は「屋内」と区別されています。一方、外壁に一番近い耐候性塗料塗り(7節)**では、下塗り・中塗りの規格名に「弱溶剤系」が併記されるものの(次の節で詳しく見ます)、上塗りは規格の等級だけで指定され、水系/溶剤系の語は表に出てきません。「水系塗料とする」と明記されるのは、つや有合成樹脂エマルションペイント塗り(8節)の下塗り(「上塗塗料の製造所の指定する水系塗料とする。」)や、屋内で現場塗装する場合の吸込止めといった、エマルション系・屋内の文脈です。
つまり国の仕様書を通して読むと、「水性か油性か」は塗料を分類する軸として最初から採用されていないことが分かります。仕様書が定めているのは樹脂の種類と規格番号であり、水系/溶剤系の指定は工程や下地によって部分的に出てくるにすぎません。
仕様書が指定するJIS K 5658と、塗り替え市販品のずれ
戸建ての外壁塗装に一番近いのは、耐候性塗料塗り(7節・表18.7.3)です。ここでは上塗りがA種(1級・主要原料ふっ素樹脂)、B種(2級・アクリルシリコン樹脂)、C種(3級・ポリウレタン樹脂)のいずれでも、規格は「JIS K 5658 建築用耐候性上塗り塗料」の等級として指定されています。
ここで参照する日本塗料工業会の規格 JPMS 27(耐候性屋根用塗料)の解説は、このJIS K 5658について次のように説明しています。
「また,JIS K 5658 は 2 液反応硬化形の溶剤系塗料であるに対し,屋根用塗料は塗り替えを主とするため,市販品は,弱溶剤系塗料及び水性塗料が主で,また,一液形塗料もあるため,一部の規定で 2 液硬化形溶剤系塗料とは異なる規定とした。」
つまり、仕様書が上塗りに指定する規格そのものは「2液反応硬化形の溶剤系塗料」を前提にしていますが、実際に外壁・屋根の塗り替えで流通している市販品は、弱溶剤系塗料と水性塗料が主で、一液形塗料もある、というずれがあります。解説は、規格に溶剤系と水性の両方を含めた理由も書いています。
「この規格は JIS K 5658(建築用耐候性上塗り塗料)をベースに規格を作っているが,塗り替え用であるため,既存の屋根用塗料製品はミネラルスピリットを主体とした弱溶剤系か,水性塗料が大半を占めることから,1 種及び 2 種のいずれにも溶剤系塗料及び水性塗料を含む。」
このJPMS 27は屋根用塗料の工業会規格(JISではなく日本塗料工業会が定めた規格)であり、外壁用の規格ではありません。したがって屋根用塗料の規格解説では市販の塗り替え用塗料は弱溶剤系・水性塗料が主流だ、とは言えますが、これを外壁塗装全般にそのまま一般化することはできません。ここで確認できるのは、新築の公共建築を想定した仕様書の規格と、塗り替え市場の製品の実態がずれているという構造そのものです。
なお、下塗り・中塗りの規格名には「弱溶剤系」が併記されています。表18.7.3では、下塗りが「反応形合成樹脂シーラーおよび弱溶剤系反応形合成樹脂シーラー」(JASS 18 M-201)、中塗りもA種(ふっ素)・B種(アクリルシリコン)・C種(ポリウレタン)それぞれで、規格名の中に通常タイプと弱溶剤系タイプが並記される書き方になっています(例: A種の中塗りは、常温乾燥形ふっ素樹脂塗料用中塗りと弱溶剤系常温乾燥形ふっ素樹脂塗料用中塗りが1つの規格名(JASS 18 M-405)の中に並記されています)。下塗り・中塗りは弱溶剤系が名指しされる一方、上塗りは規格の等級のみで水系/溶剤系の語が出てこないという非対称も、この表からそのまま読み取れます。
メーカー3社の水性/弱溶剤ペアを突き合わせる
仕様書・工業会規格は抽象的な規定にとどまるため、実際の製品でどう表記されているかを、日本ペイント・エスケー化研・関西ペイントのシリコン系上塗り(水性/弱溶剤のペア)で突き合わせました。
同じ点から見ていきます。まず希釈剤は、3社とも水性は水道水・清水・上水、弱溶剤は塗料用シンナーAとはっきり分かれています。日本ペイントは製品ページの「水性/溶剤欄」に「水性系」「弱溶剤系」と明記し、エスケー化研は特長アイコンに「水性塗料」「弱溶剤形塗料」、関西ペイントは「臭気の少ない水性塗料」「塗料用シンナーで希釈可能」という説明でそれぞれ区別しています。
乾燥時間については、日本ペイントの2ペア(パーフェクトトップSi/ファインパーフェクトトップSi、水性シリコンセラUV/1液ファインシリコンセラUV)とも、23℃の塗り重ね乾燥時間は「3時間以上」で水性・弱溶剤とも同じでした。違うのは指触乾燥の時間で、23℃では水性15分・弱溶剤20分、5〜10℃では水性40分・弱溶剤1時間です。つまり水性は乾きが遅い、という言い方を塗り重ね乾燥の公表値だけで一般化することはできません。
エスケー化研の水性セラミシリコンとクリーンマイルドシリコン(弱溶剤)は、期待耐用年数の公表値がどちらも「12~15年」で同じでした。設計価格は水性セラミシリコンが「2,710円/m2」、クリーンマイルドシリコンが「3,180円/m2」(いずれも「300m2 以上を基準とする材工共の価格であり、下地調整費は含んでおりません」という同一の注記つき)で、耐用年数の公表値が同じでも価格は異なるという実例です。ただしこの2製品はメーカーが「対」として売っているわけではなく、当サイトが同社の水性・弱溶剤のシリコン系上塗りから並べたものである点に注意してください。
違う点で最もはっきりしているのは、消防法・有機則の区分です。関西ペイントのデータシートでは、水性のアレスダイナミックTOPは消防法による危険物区分が「主材:非危険物」である一方、弱溶剤(弾性タイプ)のセラMシリコンⅢ弾性は「ベース:第4類 第2石油類(非水溶性)」「硬化剤:第4類 第2石油類(非水溶性)」で、有機則/特化則も「ベース:第3種有機溶剤等」「硬化剤:第3種有機溶剤等」、労安法上の表示有害物として「キシレン」「エチルベンゼン」が明記されています。「臭気が少ない」という主張は、水性・弱溶剤ともに製品ページに出てきますが、いずれも強溶剤との比較での説明であり(エスケー化研「強溶剤と比較して臭気が少なく」、日本ペイントの強溶剤形塗料の用語集「一般住宅の塗り替えでは、臭気が比較的マイルドな弱溶剤形(ターペン可溶形)塗料が一般的。」)、水性と弱溶剤を直接比べた臭気差の公表資料は今回の調査範囲では見当たりませんでした。
なお、強溶剤(トルエン・キシレン等を希釈剤とする塗料)について、日本ペイントの公式用語集は次のように説明しています。
「トルエン・キシレンなどの芳香族炭化水素、エステル、ケトンなど強い溶解力がある溶剤を用いた塗料全般を指す。一般住宅の塗り替えでは、臭気が比較的マイルドな弱溶剤形(ターペン可溶形)塗料が一般的。」
今回確認した範囲では、3社の外装用上塗りに強溶剤を希釈剤に明記した製品ページは見当たりませんでした。今回確認した3社のシリコン系・フッ素系上塗りは、いずれも水性か弱溶剤でした。
消防法・有機則の区分は見積書と直結する
前の節で触れた消防法・有機則の区分は、国の仕様書が定める施工条件とも対応しています。18.1.6項は次のように定めています。
「塗装を行う場所は、換気に注意して、溶剤による中毒を起こさないようにする。」(18.1.6(4)) 「火気に注意し、爆発、火災等の事故を起こさないようにする。また、塗料をふき取った布、塗料の付着した布片等で、自然発火を起こすおそれのあるものは、作業終了後、直ちに必要な措置を講ずる。」(18.1.6(5))
一方、気温・湿度の施工条件は水系/溶剤系で書き分けられていません。
「気温が5℃以下、湿度が 85%以上、結露等で塗料の乾燥に不適当な場合は、塗装を行わない。ただし、採暖、換気等を適切に行う場合は、この限りでない。」(18.1.6(1))
つまり5℃・85%の施工条件は水性・溶剤系を問わず全塗料にかかる条文である一方、溶剤中毒・火気の注意は溶剤系を念頭にした条文です。関西ペイントのアレスダイナミックTOPのデータシートにも「5℃以下ので塗装は避けて下さい。」(原文ママ)という注意書きがあり、低温の制限は水性にもあります。一方で消防法・有機則の区分は水性と弱溶剤で違い、仕様書も溶剤中毒・火気の注意を条文で求めているので、見積書や工程表に希釈剤・液型が明記されているかは、呼び方の違い以上の意味を持ちます。
下塗り材との相性 — 強溶剤不可を明記する製品がある
液型の違いは、上塗りだけでなく下塗り材との組み合わせにも影響します。エスケー化研の水性ミラクシーラーエコは、備考欄で次のように明記しています。
「強溶剤形上塗材の下塗材としては使用できません」
日本ペイントのファイン浸透シーラーにも、同様の注記があります。
「(ただし、上塗り塗料に強溶剤形塗料は塗装できません。)」
関西ペイントのアレスダイナミックシーラーアクアは、塗り重ね間隔が水系上塗りで「4時間以上7日以内」であるのに対し、「溶剤系塗料を上塗に用いる場合は16時間以上乾燥させてください。」と注記されています。下塗り材との相性や塗り重ね間隔は製品ごとの公式仕様で決まっているため、詳しくは外壁塗装の下塗りとはで解説している比較表もあわせてご確認ください。
当サイトの相場・助成金DBに水性/溶剤の軸はない
塗装相場ナビの相場マスタ(坪数レンジ×塗料グレード〈シリコン/ラジカル/フッ素/無機〉の総額レンジ・15行)には、2026年9月25日時点で「水性」「溶剤」「油性」のいずれの語を含む行もありません。相場は塗料のグレード(樹脂)×坪数の総額で区分されており、液型(水性か溶剤系か)は区分の軸として使われていません。
助成金DB(56制度)についても、「溶剤」「油性」を条件にした制度は0件でした。「水性」の語を含む制度は2件ありますが、いずれも遮熱改修の説明文中に登場するだけで、水性/溶剤系そのものを補助の条件にした制度はありません(2026年9月25日確認)。遮熱塗料の助成基準(近赤外反射率など)については遮熱塗料とはで詳しく解説しています。
つまり水性だから安い、水性なら助成対象になる、といった区分は、当サイトの相場マスタにも助成金DBにも存在しません。費用の目安は費用相場・相場計算機で坪数・塗料グレード単位の総額として確認できますが、これも「水性か溶剤系か」による相場ではないことに注意してください。
見積書で確認すること
ここまで見てきたとおり、「水性」「油性」という呼び方は、出典をたどると仕様書の区分にも自社データの区分にも存在しない、読者側の便宜的な言葉です。実際に見積書やメーカーの製品仕様を確認する際は、次の4点を見てください。
- 製品名とメーカー名。 「水性」「弱溶剤」という呼び方だけでは、同じメーカーの同じ樹脂グレードの中でも複数の製品があります。
- 希釈剤の表記。 今回確認した3社では、水性は水道水・清水・上水、弱溶剤は塗料用シンナーAと表記されていました。強溶剤(トルエン・キシレン等)を希釈剤とする外装用上塗りは、今回確認した3社の範囲では見当たりませんでした。
- 下塗りとの組み合わせ。 その上に強溶剤形の上塗りを塗れないと明記している下塗り材があります。下塗り材の適合表記も確認してください。
- 液型(1液/2液)は水性/溶剤系とは別の軸であること。 同じ弱溶剤でも1液の製品と2液(ベース+硬化剤)の製品があり、2液の場合は使用時限(可使時間)が定められています。
「水性か油性か」を単独の判断基準にするのではなく、上のポイントを見積書の記載と照らし合わせ、複数社の見積もりで製品名・液型・希釈剤・下塗りとの組み合わせがどう違うかを比較することをおすすめします。お手元の見積書の内容確認は見積書チェックもあわせてご利用ください。
よくある質問
「水性塗料」と「油性塗料」はどう違うのですか?
出典の言葉で言うと「水性塗料」と「溶剤系塗料」の違いです。日本塗料工業会の規格 JPMS 27 は、種類の定義で水性塗料を「水を揮発成分とする塗料(水性塗料)」、有機溶剤側を「有機溶剤を揮発成分とする塗料」としています。つまり違いは揮発する成分が有機溶剤か水かという点です。「油性塗料」という言葉自体は国土交通省の標準仕様書にも日本塗料工業会の規格にも出てこないため、本記事では検索でよく使われる「油性」を、出典が使う溶剤系(弱溶剤・強溶剤)と同じ意味で扱っています。詳しくは本文の用語整理をご覧ください。
弱溶剤と強溶剤の違いは何ですか?
日本ペイントの公式用語集は強溶剤形塗料を「トルエン・キシレンなどの芳香族炭化水素、エステル、ケトンなど強い溶解力がある溶剤を用いた塗料全般を指す。一般住宅の塗り替えでは、臭気が比較的マイルドな弱溶剤形(ターペン可溶形)塗料が一般的。」と説明しています。今回、日本ペイント・エスケー化研・関西ペイントの外装用上塗り製品ページを確認した範囲では、強溶剤を希釈剤に明記した製品ページは見当たりませんでした(強溶剤形塗料が存在しないという意味ではなく、今回確認した3社の外装用上塗りの範囲での結果です)。
水性は弱溶剤より乾きが遅い、耐久性が低いというのは本当ですか?
公表値から一般化はできません。日本ペイントのシリコン系上塗り2ペア(パーフェクトトップSi/ファインパーフェクトトップSi、水性シリコンセラUV/1液ファインシリコンセラUV)では、23℃の塗り重ね乾燥時間はどちらも「3時間以上」で同じでした。違うのは指触乾燥の時間(23℃で水性15分・弱溶剤20分)です。耐用年数についても、エスケー化研の水性セラミシリコンとクリーンマイルドシリコン(弱溶剤)は、期待耐用年数の公表値がどちらも「12~15年」で同じでした。ただしこの2製品はメーカーが「対」として売っているわけではなく、当サイトが同社の水性・弱溶剤ラインから並べたものです。
1液と2液はどう違いますか? 水性・弱溶剤とは関係がありますか?
1液・2液は水性/溶剤系とは別の軸です。今回確認した製品では、日本ペイントの水性・弱溶剤シリコン系上塗りはいずれも1液でした。一方、日本塗料工業会の屋根用塗料規格の解説では、仕様書が上塗りに指定するJIS K 5658は「2液反応硬化形の溶剤系塗料」であるのに対し、塗り替え用の市販品は「弱溶剤系塗料及び水性塗料が主で,また,一液形塗料もある」としています。関西ペイントのセラMシリコンⅢ弾性(弱溶剤・弾性タイプ)は2液(ベース+硬化剤)で、使用時限が8時間と定められています。液型・希釈剤・規格の3つは別々に確認する必要があります。
出典
- 国土交通省 官庁営繕「公共建築工事標準仕様書(建築工事編)令和7年版」18章 塗装工事
- 日本塗料工業会規格 JPMS 27-2009「耐候性屋根用塗料」規格・解説
- 日本ペイント「パーフェクトトップ®Si」製品ページ(水性)
- 日本ペイント「ファインパーフェクトトップ®Si」製品ページ(弱溶剤)
- 日本ペイント「水性シリコンセラUV」製品ページ
- 日本ペイント「1液ファインシリコンセラUV」製品ページ
- 日本ペイント「ファインフッソ」製品ページ
- 日本ペイント公式用語集「強溶剤形塗料」
- 日本ペイント「ファイン浸透シーラー透明・ホワイト」製品ページ
- エスケー化研「水性セラミシリコン」製品ページ
- エスケー化研「クリーンマイルドシリコン」製品ページ
- エスケー化研「エスケープレミアムシリコン」製品ページ
- エスケー化研「水性ミラクシーラーエコ」製品ページ
- 関西ペイント「アレスダイナミックTOP」製品ページ
- 関西ペイント「アレスダイナミックTOP」データシート
- 関西ペイント「セラMシリコンⅢ弾性」データシート
- 関西ペイント「アレスダイナミックシーラーアクア」データシート
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