塗装相場ナビ

塗装の基礎

外壁塗装はDIYできる? 業者に頼むべき範囲の見極め方

この記事は一次情報(官公庁・法令・メーカー公式情報)を確認のうえ作成していますが、専門家による監修は現在準備中です。監修体制については監修者についてのページをご確認ください。

この記事のポイント

  • ごく小規模で地上から安全に手が届く範囲の部分補修は、状況によってDIYできる場合がある
  • 2階建て以上の住宅の外壁全面塗装は、高所作業を伴うため危険性が高い
  • 建設業では、死亡災害のうち「墜落・転落」が占める割合が令和元年〜5年で37〜41%で推移している(建設業労働災害防止協会調べ)
  • 足場の組立て・養生・下地補修にはそれぞれ専門的な知識と技術が必要
  • 一律の正解はなく、「部分補修はDIY可、全面塗装は業者推奨」という整理が一つの目安になる

外壁塗装はDIYできる? 業者に頼むべき範囲の見極め方

この記事の要点

  • ごく小規模で地上から安全に手が届く範囲の部分補修は、状況によってDIYできる場合があります。
  • 2階建て以上の住宅の外壁全面塗装は、高所作業を伴うため危険性が高くなります。
  • 建設業では、死亡災害のうち「墜落・転落」が占める割合が令和元年〜5年で37〜41%で推移しています(建設業労働災害防止協会調べ)。
  • 足場の組立て・養生・下地補修にはそれぞれ専門的な知識と技術が必要です。
  • 一律の正解はなく、「部分補修はDIY可、全面塗装は業者推奨」という整理が一つの目安になります。

「DIYか業者か」は範囲で考える

外壁塗装のDIYについては、「絶対にやってはいけない」というものでも、「誰でも簡単にできる」というものでもありません。作業の範囲や建物の状態によって、DIYが現実的かどうかは変わってきます。この記事では、費用を抑えたいという気持ちに寄り添いつつも、中立的な立場から「どこまでがDIY向きで、どこからが業者に依頼すべき範囲か」を整理します。

高所作業の危険性 — プロの現場でも起きていること

2階建て以上の住宅では、外壁の多くの部分が地上から3メートル以上の高さに位置します。家庭用の脚立やはしごは、こうした高さでの作業を安全に行うための道具としては限界があり、足元が不安定な状態での作業は転倒・転落のリスクを伴います。

このリスクの大きさは、プロの建設現場の統計からもうかがえます。建設業労働災害防止協会が公表している資料によると、建設業における死亡災害に占める「墜落・転落」災害の割合は、令和元年41%、令和2年37%、令和3年40%、令和4年41%、令和5年39%と、この5年間おおむね37〜40%程度で推移しています(出典: 建設業労働災害防止協会「墜落・転落災害撲滅キャンペーン」資料)。これは、法令に基づく足場や安全帯などの安全対策を講じ、専門的な訓練を受けた職人が作業するプロの現場での数字です。労働安全衛生規則では、高さ2メートル以上の作業場所には作業床を設けること、高さ5メートルを超える箇所ではフルハーネス型の安全帯を使用させることなどが定められています(同資料より)。こうした対策を講じてもなお一定の割合で墜落・転落災害が発生しているという事実は、特別な装備を持たない個人が高所で外壁塗装を行うことのリスクを考えるうえで、重要な参考情報になります。

足場・養生・下地処理の専門性

外壁塗装は、塗る作業そのものだけでなく、その前後の工程にも専門性が求められます。

  • 足場の組立て: 建物の高さや構造に応じた安全基準を満たす形で組み立てる必要があり、専門的な知識と経験が必要です。工程全体の中での足場の位置づけは外壁塗装の流れ、費用の考え方は足場の役割と費用の考え方で解説しています。
  • 養生: 窓・植栽・隣家との境界などに塗料が付着しないよう保護する作業です。範囲が広く、隙間なく仕上げるには手間と経験が必要で、不十分だと近隣トラブルにつながることもあります。
  • 下地補修: ひび割れが軽微なものか、下地まで達する構造的なものかの見極めや、コーキングの適切な選定・施工には専門知識が必要です。見極めを誤ると、新しい塗膜もすぐに劣化してしまう可能性があります。

塗料・溶剤の取り扱い

外壁塗装で使う塗料は、下地との相性や希釈率、乾燥時間などが製品ごとに細かく定められています。適切な塗装回数(下塗り・中塗り・上塗りの3回塗りが基本とされています)や乾燥時間を守らないと、塗膜の性能が十分に発揮されないことがあります。また、塗料には気温など施工に適した条件があり、天候によって作業できない日もあります。この点は外壁塗装の流れでも紹介しています。

DIYでできる範囲・業者に依頼すべき範囲の整理

以上を踏まえると、次のような整理が一つの目安になります。

  • DIYを検討しやすい範囲: 地上から安全に手が届く高さの、木部や鉄部の小さな傷・色あせ部分のタッチアップなど、ごく限定的な部分補修。
  • 業者への依頼を推奨する範囲: 2階建て以上の住宅の外壁全面塗装、足場が必要な高さでの作業、下地の構造的な補修が必要な場合、近隣への配慮が必要な広範囲の養生を伴う場合。

どちらが正解というものではなく、建物の状態やご自身の経験・使える時間によって判断が変わります。ただし、高所作業が関わる範囲については、危険性を軽く見ずに慎重に検討することをおすすめします。

費用を抑えたいという動機からDIYを検討する方も多いと思いますが、業者に依頼する場合でも、相見積もりでの内訳比較や、使える助成金の活用など、費用を抑える方法はいくつかあります。詳しくは外壁塗装の費用を抑える方法で解説していますので、DIYと業者依頼を比較検討する際の材料としてあわせてご覧ください。

DIYで失敗した場合に起こり得ること

下地処理や乾燥時間が不十分なまま作業を進めると、塗膜の密着不良や仕上がりのムラにつながることがあります。結果的に業者へやり直しを依頼することになれば、かえって時間や費用がかさんでしまう可能性もあります。また、養生が不十分なまま塗料が飛散すると、近隣とのトラブルに発展することもあるため注意が必要です。

まとめ

外壁塗装のDIYは、ごく限定的な部分補修であれば検討の余地がありますが、高所作業を伴う全面塗装は、安全面・専門性の両方から業者への依頼を検討することをおすすめします。実際に業者へ依頼する場合の工程の流れは外壁塗装の流れ、見積書の確認ポイントは見積書の読み方をご覧ください。お手元の見積書は見積書チェックでも確認できます。

よくある質問

外壁塗装は自分(DIY)でできますか?

範囲によります。地上から安全に手が届くごく小規模な部分補修であれば状況によって可能な場合がありますが、2階建て以上の住宅の外壁全面塗装は、高所作業や専門知識の面でDIYの難易度が高いというのが中立的な整理です。

高所作業はどのくらい危険なのですか?

建設業労働災害防止協会の資料によると、建設業における死亡災害に占める「墜落・転落」災害の割合は、令和元年から令和5年にかけて37〜41%で推移しています。安全帯や足場など専門的な安全対策を講じたプロの現場でもこの状況であることを踏まえておく必要があります。

DIYでもできる作業はありますか?

木部・鉄部の小さな傷や色あせ部分のタッチアップなど、地上から安全に手が届く範囲でのごく限定的な補修は、状況によって検討の余地があります。ただし、下地の状態次第では専門的な見極めが必要になる場合もあります。

業者に依頼したほうがいい理由は何ですか?

足場の組立てには法令に基づく安全上の基準があり、養生や下地補修にも専門的な知識・技術が必要です。工程の詳細は<a href="/column/tosou-kiso/gaiheki-tosou-nagare/">外壁塗装の流れ</a>、足場については<a href="/column/hiyou/ashiba-hiyou-yakuwari/">足場の役割と費用の考え方</a>で解説しています。

DIYで失敗するとどうなりますか?

下地処理や乾燥時間が不十分だと密着不良や仕上がりのムラにつながり、結果的に業者へやり直しを依頼することになれば、かえって時間や費用がかさむ場合もあります。近隣への塗料の飛散などのトラブルにも注意が必要です。

出典

あわせて読みたい

お手元の見積書を確かめる

坪数・塗料グレードから費用相場の目安を確認できます(データを整備中の項目があります)。

見積書チェックへ

最終更新日: