塗装相場ナビ

塗装の基礎

塗料グレードの違い — シリコン/ラジカル/フッ素/無機の特徴

この記事は一次情報(官公庁・法令・メーカー公式情報)を確認のうえ作成していますが、専門家による監修は現在準備中です。監修体制については監修者についてのページをご確認ください。

この記事のポイント

  • 外壁塗装の塗料グレードは、一般にシリコン→ラジカル→フッ素→無機の順で耐候性が高いとされる
  • 具体的な耐用年数はメーカー・商品によって差があり、同じ『無機系』でも公表値に幅がある
  • ラジカル系は、メーカー各社とも独立した具体的年数を公式には公表しておらず、定性的な位置づけにとどまる
  • メーカーが示す年数は『促進耐候性試験』に基づく期待値・参考値であり、実際の耐用年数を保証するものではない

塗料グレードの違い — シリコン/ラジカル/フッ素/無機の特徴

この記事の要点

  • 外壁塗装の塗料グレードは、一般にシリコン系→ラジカル制御型(ラジカル系)→フッ素系→無機系の順で耐候性(色あせや劣化への強さ)が高いとされています。
  • 具体的な耐用年数は、メーカーや商品によって差があります。たとえば無機系でも、あるメーカーの公式値では商品によって20〜22年と25〜28年という開きがあります。単一の数字に丸めず、商品ごとの公表値を確認することが大切です。
  • ラジカル系は、メーカー各社とも独立した具体的年数を公式には公表しておらず、「シリコンより上、フッ素より下」という相対的な位置づけの説明にとどまっています。
  • メーカーが示す年数は「促進耐候性試験」という室内試験に基づく期待値・参考値であり、実際の建物での耐用年数を保証するものではありません。

塗料グレードとは何か

外壁塗装で使われる塗料は、主成分となる樹脂の種類によって「グレード」として分類されています。一般的には、シリコン系が標準的なグレード、ラジカル制御型がそれに続く比較的新しい技術、フッ素系・無機系が上位グレードとして位置づけられることが多く、グレードが上がるほど価格も高くなる傾向があります。

グレードごとの特徴を理解しておくと、見積書に書かれた塗料がどのくらいの位置づけの製品なのかを判断しやすくなります。見積書の塗料代の見方については 見積書の読み方 — 項目別に見るべきポイント もあわせてご覧ください。

なお、以下で紹介する耐用年数は、多くの場合「促進耐候性試験」というキセノンランプ等を使った室内試験に基づく期待値です。実際の年数は建物の立地条件や施工方法で変わるため、メーカー自身も「あくまで参考値」と留保をつけています。その前提でお読みください。

シリコン系

外壁塗装で広く使われている標準的なグレードです。シリコン樹脂を主成分とし、価格と耐久性のバランスがよいことから、多くの現場で選ばれています。

  • SK化研「エスケープレミアムシリコン」: 公式サイトで「期待耐用年数は14〜16年」と公表。「地域、立地条件、方角等により異なりますので、参考値としてお考えください」との留保あり。促進耐候性試験(キセノンランプ法)を実施し、JIS A6909(建築用仕上塗材)耐候形1種に適合。
  • アステックペイント「シリコンREVO1000」: 公式サイトで「期待耐用年数13〜16年」と公表。促進耐候性試験(キセノンランプ式)でこの年数相当が経過した後も光沢保持率80%以上を確認したとしている。

2社の公表値は13〜16年、14〜16年とおおむね近い範囲ですが、完全一致ではありません。商品ごとの公式値を確認することをおすすめします。

ラジカル制御型(ラジカル系)

紫外線などによる塗膜の劣化反応(ラジカルの発生)を抑える技術を使った、シリコン系より新しい世代の塗料です。ただし調査の結果、ラジカル系について独立した具体的な耐用年数をメーカー公式に公表している例は見当たりませんでした。各社とも「シリコンより耐候性が高く、フッ素より下」という相対的な位置づけの説明にとどまっています。

日本ペイントの公式カタログでは、上塗り塗料のグレードを耐候性が高い順に「ウレタングレード→シリコングレード→ラジカル制御形グレード→フッ素グレード→セラミックグレード」と整理し、ラジカル制御形の代表製品(パーフェクトトップなど)を「シリコンを超える高耐候性」と説明しています(促進耐候性試験のグラフでも、シリコン樹脂塗料とフッ素樹脂塗料の中間に位置)。SK化研も、ラジカル制御技術を使った製品を「従来のシリコン樹脂塗料に比べ、塗り替え回数を減らせる」という相対表現で紹介しています。

なお日本ペイントは2025年3月、主力製品「パーフェクトトップ」のグレード表記を「ラジカル制御形ハイブリッド高耐候性塗料」から「ラジカル制御形シリコン系ハイブリッド高耐候性塗料」に変更しました(性能・仕様に変更はないとのこと)。グレード名は業界で厳密に標準化された規格ではなく、メーカーによって分類が変わることもある、という点は知っておくとよいでしょう。

フッ素系

フッ素樹脂を含み、耐候性を重視した上位クラスのグレードです。

  • アステックペイント「フッ素REVO1000」: 公式サイトで「期待耐用年数16〜20年」と公表。
  • 関西ペイント「CERA M FUSSO(セラMフッソ)」: 公式カタログのポジショニング図で「ふっ素樹脂塗料(12〜15年)」の区分に位置づけ。JIS K5658(建築用耐候性上塗り塗料1級)の促進耐候性試験(キセノンランプ照射2,500時間)で、塗膜の割れ・はがれ・ふくれがなく光沢保持率80%以上という規格基準に適合。

2社の例で16〜20年と12〜15年という開きがあり、「フッ素系だから何年」と一律に判断せず、商品ごとの公表値を確認することが重要です。

無機系

ガラスや石など無機成分を主体とした、最上位クラスとされることが多いグレードです。

  • アステックペイント「無機REVO1000-IR」: 公式サイトで「期待耐用年数20〜22年」と公表。「あくまで試験環境下における推測値であり、耐候性を保証するものではありません」との留保あり。
  • アステックペイント「超低汚染リファイン500無機-IR」: 同社の別製品で「期待耐用年数25〜28年」と公表。

同じメーカーの製品同士でも20〜22年と25〜28年という差があり、「無機系=一律に何年」と単純化できません。日本ペイントやSK化研の無機系製品では「フッ素樹脂塗料やシリコン樹脂塗料と比べて劣化の進行が遅い」という定性的な説明にとどまり、具体的な年数を示していない製品もあります。

グレードだけで選ばない、というのも大切な視点

耐用年数の長いグレードほど価格も高くなる傾向があります。どのグレードが適しているかは予算・立地条件・次の塗り替えまでの想定期間によって変わるため、年数の長さだけで判断せず、複数の業者から見積もりを取り、提案内容とあわせて比較することをおすすめします。費用の目安は 費用相場ページ相場計算機 でご確認いただけます。

塗り替えが必要かどうかは、年数だけでなく外壁の状態そのもので判断することも大切です。自分で確認できる劣化サインは 外壁の劣化サイン7つ で解説しています。

よくある質問

一番長持ちする塗料グレードはどれですか?

一般的には無機系が最も耐候性の高いグレードとされています。ただし同じ「無機系」でも商品によって公表されている耐用年数に差があるため、検討している商品の公式な情報を確認することをおすすめします。

ラジカル系はシリコン系とどう違いますか?

ラジカル系は紫外線などによる塗膜の劣化反応を抑える技術を使った、シリコン系より新しい世代の塗料です。メーカー各社は「シリコンより耐候性が高い」という位置づけで説明していますが、独立した具体的な年数を公式に公表している例は見当たりませんでした。

メーカーが公表している耐用年数は、そのまま信じてよいですか?

多くは促進耐候性試験という室内試験に基づく期待値・参考値です。実際の耐用年数は立地条件や施工方法で変わるため、メーカー自身も留保をつけています。目安として参考にしつつ、断定的に受け取りすぎないことをおすすめします。

グレードが高い塗料を選べば、それだけ安心ですか?

耐候性の高いグレードほど価格も上がる傾向があります。グレードだけでなく下地補修や施工方法、業者の説明内容とあわせて総合的に判断することをおすすめします。見積書の確認ポイントは <a href="/column/hiyou/mitsumorisho-yomikata/">見積書の読み方</a> をご覧ください。

出典

あわせて読みたい

お手元の見積書を確かめる

坪数・塗料グレードから費用相場の目安を確認できます(データを整備中の項目があります)。

見積書チェックへ

最終更新日: