悪質商法から身を守る
外壁塗装のトラブルは何が多いのか — 公的な相談統計と相談窓口
この記事は、官公庁・法令・メーカー公式情報などの一次情報と出典を確認したうえで、塗装相場ナビ編集部が作成・更新しています。編集方針については運営ポリシーをご覧ください。
この記事のポイント
- 住まいるダイヤルの2024年度の新規相談件数は30,812件。うちリフォーム相談は11,920件で、初めて新築相談(11,682件)を上回った
- リフォーム相談は他の区分と比べて「契約のトラブル」の割合が高い(23.4%。新築相談は17.9%)
- 戸建住宅のリフォーム相談で多い不具合は、はがれ18.5%・雨漏り16.6%・性能不足16.0%・ひび割れ11.9%で、いずれも外壁・屋根が主な部位
- 契約前の見積書は「リフォーム見積チェックサービス」で無料相談できる(建築士が対応)
- 悪質な勧誘が疑われる場合は消費者ホットライン「188」など、別の窓口が用意されている
※画像はイメージです(写真素材: Pexels)
この記事の要点
- 住宅の相談を受け付ける公的な窓口「住まいるダイヤル」の2024年度の新規相談件数は30,812件。うちリフォーム相談は11,920件で、初めて新築相談(11,682件)を上回りました。
- リフォーム相談は他の区分と比べて「契約のトラブル」の割合が高く、23.4%を占めています(新築相談は17.9%)。
- 戸建住宅のリフォーム相談で多い不具合は、はがれ18.5%・雨漏り16.6%・性能不足16.0%・ひび割れ11.9%。いずれも外壁・屋根が主な部位として挙げられています。
- 契約前の見積書は「リフォーム見積チェックサービス」で無料相談できます(建築士が対応)。
どこに相談が集まっているのか
住宅の相談を受け付ける公的な窓口として、公益財団法人住宅リフォーム・紛争処理支援センターが運営する「住まいるダイヤル」があります。同センターは毎年『住宅相談統計年報』を公表しており、最新の2025年版には2024年度の集計が掲載されています。
2024年度の新規相談件数は 30,812件(前年度の32,569件と比較して約5.4%減少)。相談区分別の内訳は次のとおりです。
| 相談区分 | 件数 | 前年比 |
|---|---|---|
| リフォーム相談 | 11,920件 | 0.8%減 |
| 新築相談 | 11,682件 | 9.3%減 |
| その他相談 | 5,546件 | 8.3%減 |
| 既存相談 | 1,664件 | 2.4%増 |
年報では「初めて[リフォーム相談]の件数が[新築相談]を上回った」と記されています。なお、この電話相談は2000年4月の業務開始以降、2024年度末までの累計で 521,192件 に達しています。
リフォームは「契約のトラブル」の比率が高い
同じ年報では、相談の中身も分類されています。相談全体では「住宅のトラブルに関する相談」が18,489件で 60.0% を占めます。
相談区分ごとに内訳を見ると、傾向がはっきり分かれます。
| 相談内容 | リフォーム相談 | 新築相談 |
|---|---|---|
| 不具合のトラブル | 28.4% | 49.4% |
| 不具合と契約の両方 | 11.5% | 9.2% |
| 契約のトラブル | 23.4% | 17.9% |
| 知見相談(トラブル以外の一般的な相談) | 34.1% | 21.1% |
| 上記以外 | 2.6% | 2.3% |
年報は「[新築相談]では『不具合のトラブル』の割合が高く、[リフォーム相談]では他の相談区分と比較して『契約トラブル』の割合が高い」と分析しています。
外壁塗装はリフォーム工事にあたります。工事の出来映えよりも先に、契約の段階でつまずくケースの比重が大きいという点は、これから工事を検討する立場からすると重要な示唆です。契約前に確認できることを増やしておくほど、後のトラブルを避けやすくなります。
不具合の中身 — 外壁・屋根が繰り返し登場する
年報には、リフォーム相談のうち戸建住宅について、どのような不具合が生じているかの集計もあります(n=3,314、複数カウント)。
| 不具合事象 | 割合 | 件数 | 主な部位 |
|---|---|---|---|
| はがれ | 18.5% | 612件 | 外壁、屋根 |
| 雨漏り | 16.6% | 549件 | 屋根、外壁 |
| 性能不足 | 16.0% | 529件 | 外壁、屋根、設備機器 |
| ひび割れ | 11.9% | 393件 | 外壁、屋根 |
| 変形 | 10.1% | 335件 | 床、開口部・建具 |
| 汚れ | 9.2% | 304件 | 外壁、屋根 |
上位6つのうち5つで「外壁」が主な部位に挙がっています。塗装工事に関係の深い「はがれ」が最も多い点も見逃せません。
なお、この統計は外壁塗装だけを切り出したものではなく、リフォーム工事全般の相談です。塗装単独の内訳は年報には示されていないため、「外壁塗装のトラブルが何件」と断定することはできません。あくまでリフォーム相談全体の中で外壁・屋根が繰り返し登場しているという読み方が正確です。
塗膜のはがれ・ひび割れが自分の家で起きているかどうかは、外壁の劣化サイン7つ のチェック項目で確認できます。
契約前に無料で使える窓口
住まいるダイヤル(電話相談)
- 電話番号: 03-3556-5147
- 受付: 月曜〜金曜(土日・祝休日・年末年始を除く)の午前10時〜午後5時
- 相談料: 無料(固定電話からは全国どこからでも市内通話料で利用可能)
- 対応: 「経験豊富な建築士が、直接電話で相談をお受けします」
新築住宅の不具合、事業者との紛争、リフォーム費用の見積もり、追加工事費用、契約時の注意点など、住宅全般の相談を受け付けています。
リフォーム見積チェックサービス
電話相談の一環として、契約前の見積書そのものを見てもらえるサービスがあります。
- 内容: 「これからリフォーム工事の契約を予定している方(消費者)から契約前の見積書等をお送りいただき、内容を確認するサービス」。見積書の不明点や専門用語について相談員がアドバイスします。
- 費用: 無料
- 対象: 着工前・契約前の、住宅本体を含むリフォーム工事の見積書(消費者宛)。1〜2通まで。図面があるとより詳細な確認が可能
- 対象外: 査定・鑑定、メンテナンス、設計・監理、解体工事など
- 申込: ウェブフォームからの申込みでは、必要事項と見積書をアップロードし、メールで発行されるIDから相談日時を登録します(最短で14日後以降)。電話での申込みも可能です
2024年度は、このサービスで事業者から取得した見積書に関する相談が 509件、実際に見積書の送付を受けた相談が169件ありました。申込みから相談までに日数がかかるため、契約を急かされている状況では間に合わないこともあります。時間の余裕を持って利用するのが前提のサービスです。
すぐに見積書のポイントを確認したい場合は、当サイトの 見積書チェック と 見積書の読み方 もあわせてご利用ください。
悪質な勧誘が疑われる場合は別の窓口へ
見積内容や工事の品質ではなく、勧誘の方法自体に問題を感じる場合は、消費生活の窓口が適しています。
- 消費者ホットライン「188(いやや!)」 — 最寄りの市町村・都道府県の消費生活センター等を案内する全国共通の3桁の電話番号です。
不安をあおって契約を急がせる手口については 点検商法とは — 手口と対処法、契約前に確認しておくことは 訪問営業が来た時のチェックリスト、契約後の解除については 外壁塗装のクーリングオフ で解説しています。
契約前にできること
統計から読み取れる傾向を踏まえると、契約前の段階でできることは次のように整理できます。
- 契約段階の確認に時間をかける — リフォーム相談では契約トラブルが23.4%と、新築より比重が大きい領域です。
- 見積書を第三者に見てもらう — 無料の見積チェックサービスがあります。ただし日数がかかるため、早めに動く必要があります。
- 工事範囲を書面で確定させる — 「はがれ」「性能不足」といった不具合の相談は、どこまでを工事に含むかの認識違いから生じることもあります。
- 複数社の見積もりを比べる — 金額だけでなく、工事範囲・使用する塗料の商品名・下地補修の内容を並べて比べます。取り方は 見積もりの取り方 にまとめています。
この記事の位置づけについて
ここで紹介した統計は、住宅リフォーム全般に寄せられた相談の集計です。塗装業界全体や、訪問して営業する業者すべてを否定するものではありません。相談として寄せられた内容の傾向を、公表されている一次資料のまま整理したものとしてお読みください。
まとめ
住まいるダイヤルの2024年度の統計では、リフォーム相談が11,920件と初めて新築相談を上回りました。リフォーム相談は契約トラブルの比率が高く(23.4%)、不具合の相談では外壁・屋根が繰り返し主な部位として挙がっています。
契約前の見積書は無料で建築士に相談できる仕組みがあり、勧誘そのものに問題を感じる場合は消費者ホットライン「188」という別の窓口があります。どの段階の困りごとかによって、適した窓口が違う — この使い分けを知っておくことが、いちばん実際的な備えになります。
よくある質問
外壁塗装のトラブルはどこに相談できますか?
工事の内容や見積書についての相談は、公益財団法人住宅リフォーム・紛争処理支援センターが運営する「住まいるダイヤル」(03-3556-5147)で受け付けています。相談は無料で、建築士が対応します。悪質な勧誘が疑われる場合は消費者ホットライン「188」もご利用いただけます。
契約前の見積書を見てもらうことはできますか?
住まいるダイヤルの「リフォーム見積チェックサービス」で無料相談できます。対象は着工前・契約前の、住宅本体を含むリフォーム工事の見積書(消費者宛)で、1〜2通まで。図面があるとより詳しく確認してもらえます。
リフォームのトラブルで多いのは工事の不具合ですか、契約の問題ですか?
住宅相談統計年報2025(2024年度集計)によると、リフォーム相談では契約トラブルが23.4%を占め、新築相談の17.9%より高くなっています。不具合トラブルは28.4%です。リフォームは新築に比べ、契約段階の相談の比重が大きいという傾向が読み取れます。
工事が終わったあとに不具合が見つかった場合はどうすればよいですか?
まずは施工した業者に状況を伝えて確認を依頼するのが基本です。話し合いで解決しない場合は、住まいるダイヤルに相談すると、弁護士・建築士との面談による専門家相談などの案内を受けられます。
訪問営業で契約してしまった場合も同じ窓口ですか?
勧誘の方法自体に問題があると感じる場合は、消費者ホットライン「188」など消費生活センターの窓口が適しています。訪問販売にあたる契約は、書面を受け取った日から8日間クーリング・オフができる場合があります。詳しくは 外壁塗装のクーリングオフ をご覧ください。
出典
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