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悪質商法から身を守る

点検商法とは — 手口と対処法

この記事は一次情報(官公庁・法令・メーカー公式情報)を確認のうえ作成していますが、専門家による監修は現在準備中です。監修体制については監修者についてのページをご確認ください。

この記事のポイント

  • 点検商法とは、無料点検などを口実に突然訪問し、不安をあおって工事契約を迫る手口の総称
  • 国民生活センターの公表データでは、屋根工事の点検商法に関する相談は2018年度923件→2022年度2,885件と5年で約3倍に増加
  • 契約当事者の8割超が60歳以上。その場で契約しない、複数社で比較する、が基本的な対処法
  • 特定商取引法上の訪問販売にあたる場合、契約書面受領日から8日間はクーリング・オフが可能
  • この手口を使う一部の業者が存在するという事実であり、訪問販売や点検サービスそのもの、塗装業界全体を否定するものではない

点検商法とは — 手口と対処法

この記事の要点

  • 点検商法とは、「近くで工事をしています」などと突然訪問し、無料点検を口実に不安をあおって工事契約を迫る手口の総称です。
  • 国民生活センターの公表データによると、屋根工事の点検商法に関する相談件数は2018年度923件から2022年度には2,885件へと、5年間で約3倍に増えています。
  • 契約当事者の8割超(2022年度受付分)が60歳以上です。
  • その場で契約しない、複数社で見積もりを比較する、というのが基本的な対処法です。特定商取引法上の訪問販売にあたる場合、契約書面を受け取った日から8日間はクーリング・オフができます。
  • この記事は、こうした手口を使う一部の業者が存在するという事実をお伝えするものであり、訪問での点検サービスや塗装業界全体を否定する意図はありません。

点検商法とは何か

点検商法とは、業者が「近くで工事をしています」「屋根の様子が気になったので」などと理由をつけて突然自宅を訪問し、「無料で点検します」と持ちかけて建物の状態を確認した後、「このままでは大変なことになる」といった言葉で不安をあおり、その場で工事契約を迫る手口の総称です。国民生活センターが繰り返し注意喚起している悪質商法のひとつで、屋根・外壁のほか、床下、給湯器、太陽光発電設備など対象はさまざまです(出典: 国民生活センター 2023年10月11日公表資料)。

なお、点検そのものや訪問営業という営業手法自体が悪いわけではありません。問題になるのは、事実と異なる不安をあおって契約を急がせたり、必要のない工事を勧めたりする一部の手口です。この記事は、そうした具体的な手口を知っておくことで冷静に判断できるようにすることを目的としています。

実際にどれくらい増えているのか(国民生活センターのデータ)

国民生活センターが2023年10月11日に公表した資料によると、屋根工事の点検商法に関するPIO-NET(全国消費生活情報ネットワーク・システム)への相談件数は、次のように推移しています。

年度 相談件数
2018年度 923件
2019年度 1,157件
2020年度 1,824件
2021年度 2,352件
2022年度 2,885件

2022年度の相談件数は、2018年度と比べて約3倍に増加しています(出典: 国民生活センター 2023年10月11日公表資料PDF)。

この統計は「屋根工事」の点検商法に限定したものです。国民生活センターの公表資料を確認した限り、外壁塗装単体を切り出した独立の相談件数統計は見つかりませんでした。ただし、国民生活センターが公表する「訪問販売によるリフォーム工事」の相談件数の定義には壁工事・塗装工事も含まれており、また屋根の点検商法をきっかけに「外壁も傷んでいるので工事が必要」と次々に契約を勧められる被害パターンも報告されています。屋根に限らず、外壁を含む住宅全般が点検商法の対象になり得る点には注意が必要です。

同資料では、契約当事者の年代についても集計されています(2022年度受付分)。60歳代・70歳代・80歳代を合わせると全体の8割を超えており、契約購入金額は「100万円以上500万円未満」が最も多い価格帯(全体の43%)で、平均は約132万円となっています(出典: 同PDF)。また、相談の受付時期は例年6月と9〜11月に増える傾向があり、梅雨や台風など自然災害の後を狙って勧誘するケースが多いためと考えられると分析されています。

典型的な手口の流れ

国民生活センターが公表している相談事例をもとに、典型的な流れを整理すると、おおむね次のようなパターンがあります。

  1. 接触: 「近くで工事をしています」「ご近所の工事の帰りに気になった」など、偶然を装って訪問してくる。
  2. 無料点検の提案: 「屋根の様子を無料で見てあげます」と持ちかけ、断りにくい形で点検を承諾させる。
  3. 不安の提示: スマートフォンやタブレットで撮影した写真を見せながら、「このままでは雨漏りする」「近所に迷惑がかかる」などと不安をあおる。国民生活センターは、見せられる写真や動画があらかじめ業者側で用意されたものである可能性にも注意を促しています。
  4. 契約の誘導: 「今日契約するなら特別価格にする」といった値引きトークや、火災保険を使えるとすすめるトークで契約を後押しする。
  5. 次々販売: 契約後に「外壁も傷んでいる」「シロアリもいるかもしれない」などと、別の工事やサービスを次々に勧められるケースも報告されています。

実際に国民生活センターへ寄せられた相談では、屋根の点検をきっかけに約100万円の工事を契約したケースや、複数社に見積もりを取り直したところ他社より高額だったと判明したケースなどが公表されています(出典: 国民生活センター 2023年10月11日公表資料PDF)。個々の事例の詳細は出典元でご確認いただけます。

保険金トークにも注意

「火災保険を使えば自己負担なしで直せる」といった勧誘トークも、国民生活センターが注意を呼びかけているパターンのひとつです。保険金の請求手続きは契約者本人が行うのが基本であり、実際の被害と異なる内容で保険金を申請すると、契約者自身が保険金詐欺に問われる可能性もあります。「保険を使えば無料」という説明を鵜呑みにせず、必要であれば先に保険会社へ直接確認することをおすすめします。

訪問してきた業者への基本的な対処法

国民生活センターの公表資料を踏まえると、次のような対応が基本になります。

  • その場で点検を安易に受けない: 無料であっても、突然の訪問による点検はその場で承諾せず、必要であれば日を改めて対応する。
  • その場で契約しない: 「今日だけ」「今すぐ」といった急かし文句が出た場合ほど、一度持ち帰って検討する。
  • 複数社で比較する: 1社の指摘や見積もりだけで判断せず、他の業者にも点検・見積もりを依頼して内容を比較する。実際の劣化サインの確認方法は 外壁の劣化サイン7つ も参考にしてください。
  • 保険金トークを鵜呑みにしない: 保険金の利用を強く勧めてくる業者には注意する。
  • 少しでも不安を感じたら相談する: 消費者ホットライン「188(いやや!)」に電話すると、最寄りの消費生活センター等の案内を受けられます。住宅リフォームのトラブルについては、公益財団法人住宅リフォーム・紛争処理支援センターの「住まいるダイヤル」(0570-016-100)も利用できます。

契約してしまった場合は

万が一その場で契約してしまっても、特定商取引法上の訪問販売に該当する契約であれば、法律で定められた契約書面を受け取った日から8日間はクーリング・オフによって無条件で解除できます。書面に不備がある場合の扱いなど、詳しい要件は 外壁塗装のクーリングオフ で解説しています。期間が過ぎてしまった場合でも、事実と異なる説明で誤認して契約した場合は取消しができることがあるため、まずは消費生活センターに相談することをおすすめします。

訪問営業そのものへの備えについては 訪問営業が来た時のチェックリスト にもまとめています。

この記事の位置づけについて

ここで紹介した手口は、点検商法という特定の悪質な手口に関する国民生活センターの公表データに基づくものです。訪問による点検サービスや、屋根・外壁の工事を行う事業者の多くが誠実に業務を行っています。当サイトは、特定の手口の存在を事実に基づいてお伝えすることを目的としており、業界全体を否定・非難する意図はありません(詳しくは 運営ポリシー・透明性について をご覧ください)。

よくある質問

点検商法とはどういう意味ですか?

「近くで工事をしています」などと突然訪問し、無料点検を口実に不安をあおって工事契約を迫る手口の総称です。屋根・外壁のほか、給湯器や太陽光発電設備なども対象になります。

屋根工事の点検商法の相談は実際に増えていますか?

国民生活センターの公表データによると、屋根工事の点検商法に関する相談件数は2018年度923件から2022年度2,885件へと、5年間で約3倍に増えています(2023年10月11日公表資料)。

無料点検を頼んだら、必ず契約しなければいけませんか?

いいえ。点検を受けたことと契約することは別の話です。その場で契約する義務はなく、内容に納得できなければ断って問題ありません。

訪問業者に「今日中に契約すれば安くする」と言われました。信じていいですか?

契約を急がせる値引きトークは、冷静な比較検討の時間を奪う手口として使われることがあります。その場で決めず、一度持ち帰って複数社と比較することをおすすめします。

すでに契約してしまいました。どうすればいいですか?

訪問販売に該当する契約であれば、契約書面を受け取った日から8日間はクーリング・オフで解除できる場合があります。詳しくは <a href="/column/bouei/cooling-off/">外壁塗装のクーリングオフ</a> をご覧いただくか、消費者ホットライン「188」にご相談ください。

出典

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