塗装相場ナビ

本ページはプロモーションが含まれています

費用を知る

塗装工事の耐用年数は何年? 国税庁の基準と「修繕費」「資本的支出」の考え方

この記事は、官公庁・法令・メーカー公式情報などの一次情報と出典を確認したうえで、塗装相場ナビ編集部が作成・更新しています。編集方針については運営ポリシーをご覧ください。

この記事のポイント

  • 「塗装工事の耐用年数」という、国税庁が定めた塗装工事専用の年数があるわけではない。関係するのは、支出を「修繕費」と「資本的支出」のどちらで処理するかという区分
  • 国税庁タックスアンサーNo.1379によれば、原状回復目的でおおむね3年以内の周期の修理、または20万円未満の支出は修繕費にできる
  • 判定が明らかでない場合、60万円未満、または前年末取得価額のおおむね10%以下であれば修繕費として処理できる
  • 資本的支出になった場合は、その建物自体の法定耐用年数の残り期間で減価償却する(住宅用の木造は22年、鉄骨鉄筋コンクリート造は47年が目安)
  • この話は事業用建物(賃貸物件・店舗・事務所など)の税務処理に関するもの。個人が住むための自宅は対象が異なるため、必ず税理士や税務署に確認する
電卓とノート、グラフ資料を使うデスク(イメージ)

※画像はイメージです(写真素材: Pexels)

「塗装工事の耐用年数」を国税庁のサイトで探そうとすると、実は少しつまずきます。国税庁が「塗装工事は◯年」と定めた専用の年数表があるわけではないからです。この記事では、賃貸物件や事業用の建物を保有していて、外壁塗装の費用を税務上どう扱うか調べている方向けに、国税庁タックスアンサーNo.1379の基準をもとに整理します。

この記事は、賃貸物件・店舗・事務所など事業用の建物に関する税務処理の考え方を解説するものです。ご自身が住むための個人の自宅は、通常この話の対象になりません。 個別の判断は必ず税理士や税務署にご確認ください。

この記事の要点

  • 「塗装工事の耐用年数」という、国税庁が定めた塗装工事専用の年数があるわけではありません。関係するのは、支出を「修繕費」と「資本的支出」のどちらで処理するかという区分です。
  • 国税庁タックスアンサーNo.1379によれば、原状回復目的でおおむね3年以内の周期の修理、または20万円未満の支出は修繕費にできます。
  • 判定が明らかでない場合、60万円未満、または前年末取得価額のおおむね10%以下であれば修繕費として処理できます。
  • 資本的支出になった場合は、その建物自体の法定耐用年数の残り期間で減価償却します(住宅用の木造は22年、鉄骨鉄筋コンクリート造は47年が目安)。
  • この話は事業用建物の税務処理に関するものです。個人の自宅は対象が異なるため、必ず税理士や税務署に確認してください。

まず整理したいこと: 「耐用年数」ではなく「修繕費か資本的支出か」

外壁塗装の物理的な寿命(塗料がどのくらいもつか)は外壁塗装は何年で塗り替える?で解説しているメーカー公表値の話です。一方、税務上の「耐用年数」を調べている方の多くは、賃貸物件や事業用の建物を保有していて、塗装工事にかかった費用を、その年の経費にできるのか、資産として計上して数年かけて償却する必要があるのかを知りたいのだと思います。

国税庁のタックスアンサーで示されているのは、まさにこの「修繕費」か「資本的支出」かという区分の基準です。塗装工事という工事種別に対して個別の耐用年数が定められているわけではありません。

「修繕費」と「資本的支出」の違い

国税庁タックスアンサー No.1379「修繕費とならないものの判定」では、次のように説明されています。

区分の基本原則として、「修繕費と資本的支出の区分は、修繕や改良という名目によるのではなく、その実質によって判定」されます。そのうえで、原則として資本的支出となる例として、次のようなものが挙げられています。

  • 建物の避難階段の取付けなど、物理的に付け加えた部分の金額
  • 用途変更のための模様替えなど、改造または改装に直接要した金額
  • 機械の部分品を特に品質または性能の高いものに取り替えた場合で、通常の取替えの金額を超える部分の金額

一言でいえば、建物の価値を高めたり、耐久性を増したりする支出が資本的支出です。これに対し、通常の維持管理や、壊れたり傷んだりした部分を元の状態に戻すための支出が修繕費です。

金額による判定基準

同じタックスアンサーでは、次のいずれかに該当する場合は修繕費として処理できるという、金額に基づく基準も示されています。

修繕費か資本的支出かの判定フローチャート。3年以内周期または20万円未満なら修繕費。資本的支出であることが明らかなら資本的支出。それ以外は60万円未満または前年末取得価額の10%以下なら修繕費として処理可、それ以外は資本的支出
  1. おおむね3年以内の期間を周期として行われる修理・改良であるとき、またはその金額が20万円未満のときは、修繕費にできます。
  2. 資本的支出か修繕費か明らかでない金額について、60万円未満のとき、またはその資産の前年末の取得価額のおおむね10パーセント相当額以下のときは、修繕費として処理できます。

(出典: 国税庁タックスアンサー No.1379「修繕費とならないものの判定」)

外壁塗装は修繕費になりやすいのか

一般的に、同じグレードの塗料への塗り替えなど、劣化した部分を元の状態に戻すことを目的とした塗装工事は、修繕費に該当しやすい傾向があります。塗料のグレードや工程の考え方は塗料グレードの違いでも解説していますが、単純な塗り替えは「原状回復」の性格が強いためです。

一方で、たとえば断熱性能を大きく高める特殊な塗装への変更や、用途変更を伴うリフォームの一環として行う塗装など、建物の価値や耐久性を明確に高めると判断される工事は、資本的支出とされる可能性があります。実際にどちらに該当するかは、工事の内容・目的・金額によって個別に判断されるため、この記事だけで断定はできません。判断に迷う場合は税理士にご相談ください。

資本的支出になった場合は「建物の耐用年数」を使う

支出が資本的支出と判断された場合、その金額は建物の取得価額に追加され、その建物自体の法定耐用年数に基づいて減価償却していくのが基本的な考え方です。参考として、国税庁が示す主な建物の法定耐用年数(住宅用)は次のとおりです。

建物の法定耐用年数の例。住宅用の木造・合成樹脂造は22年、鉄骨鉄筋コンクリート造は47年
構造 用途 法定耐用年数
木造・合成樹脂造 住宅用 22年
鉄骨鉄筋コンクリート造・鉄筋コンクリート造 住宅用 47年

(出典: 国税庁 確定申告書等作成コーナー「耐用年数(建物/建物附属設備)」)

この年数は、あくまで建物という資産全体に対する法定耐用年数であり、「塗装工事の耐用年数」として定められたものではない点に改めてご注意ください。すでに築年数が経過している建物の場合、実際に適用される年数の計算方法は個別のケースによって異なるため、税理士にご確認ください。

まとめ

  • 「塗装工事の耐用年数」という専用の年数があるわけではなく、関係するのは「修繕費」か「資本的支出」かの区分
  • 原状回復目的でおおむね3年以内の周期、または20万円未満の支出は修繕費にできる(国税庁タックスアンサーNo.1379)
  • 判定が明らかでない場合、60万円未満、または前年末取得価額のおおむね10%以下であれば修繕費として処理できる
  • 資本的支出になった場合は、建物自体の法定耐用年数(住宅用の木造22年、鉄骨鉄筋コンクリート造47年など)で減価償却する
  • この記事は事業用建物の税務処理の考え方の解説であり、個人の自宅は通常対象外。個別の判断は税理士・税務署に確認する
  • 物理的な塗り替え時期の目安は外壁塗装は何年で塗り替える?で別途解説している

よくある質問

外壁塗装には国税庁が定めた耐用年数がありますか?

塗装工事そのものに固有の耐用年数が定められているわけではありません。国税庁のタックスアンサーで示されているのは、塗装工事の支出を「修繕費」(その年の必要経費)として処理するか、「資本的支出」(資産として計上し減価償却する)として処理するかを区分する基準です。

修繕費と資本的支出はどう違うのですか?

国税庁タックスアンサーNo.1379によれば、原則として、建物の価値を高めたり耐久性を増したりする支出は資本的支出、通常の維持管理や原状回復のための支出は修繕費とされます。区分は「修繕や改良という名目によるのではなく、その実質によって判定」されます。

外壁塗装の費用はどちらになりやすいですか?

同じグレードへの塗り替えなど、原状回復を目的とした塗装は修繕費に該当しやすい一般的な傾向があります。ただし、グレードアップや用途変更を伴う場合は資本的支出とされることもあり、個別の判断が必要です。断定的な判断は税理士にご確認ください。

金額の基準はありますか?

国税庁タックスアンサーNo.1379では、(1)おおむね3年以内の周期の修理・改良、または20万円未満の支出は修繕費にできる、(2)資本的支出か修繕費か明らかでない場合、60万円未満、または前年末取得価額のおおむね10%以下であれば修繕費として処理できる、という基準が示されています。

個人の自宅の外壁塗装にもこの話は関係しますか?

この記事で扱っているのは、賃貸物件や店舗・事務所など事業用の建物における税務処理の考え方です。事業に使っていない、ご自身が居住するための住宅は、通常この減価償却の話の対象にはなりません。ご自身のケースがどちらに当たるか不明な場合は、税理士や税務署に確認することをおすすめします。

出典

あわせて読みたい

お手元の見積書を確かめる

坪数・塗料グレードから、出典を明記した費用相場の目安を確認できます。

見積書チェックへ

最終更新日: